かばんの仕事とGOZI帆布のできること

かばん店、かばん業界の専門性についてと GOZI帆布のできることとできないこと

かばんの仕事
かばん店、かばん業界の専門性について

◆ かばん関係と言ってもメーカーから卸、商社、販売店、工場、会社としての工房&店舗、個人の工房&店舗、修理、タンナーと呼ばれる製革業者、材料店と様々です。

◉ バッグメーカーでの制作はデザイナー、パタンナー、職人と専業で仕事をします。

◉ 個人店舗はデザイナー、パタンナー、職人、そして販売を兼業していることが多いです。

工房兼店舗は、革かばん専門、帆布かばん専門、帆布と革のかばん工房があり、全体を見ると革カバン店が多く、帆布のカバン店は少数です。

その工房兼店舗の個人のカバン店でも、オリジナルデザインの店。
セミオーダーメイドの店。
フルオーダーメイドの店。
どんな制作でもOKの店など形態は様々です。



GOZI帆布のできることとできないこと
お客様に知ってほしいこと。

◉ GOZI帆布のできることは、オリジナルでデザインした帆布製品の制作販売と、一部製品のセミオーダー製作。
自社製品の修理のみです。

かばんを作っていると何でもできると思っていらっしゃる方がたまにみえます。

作っているからできるだろうと思うお気持ちはわかります。
依頼をいただけることはありがたいこととは思っています。

しかし、一口にかばんを取り扱って制作していると言っても専門があり、当然分野によって得意、不得意、できる、できないがあります。

依頼するのなら、専門のプロフェッショナルに任せた方が、より確実でより早く、結果、かかる時間や費用も少なくなると思います。

以下は、申し訳なく思いつつ当店でお断りしている事例です

❎ オーダーメイドでかばんを作ってほしい。

❎ かばん(他社様製品)が壊れたので修理をしてほしい。

❎ 他社様の製品と同じものを作ってほしい。

❎ GOZI帆布製品を革で作ってほしい。

❎ 製品を量産するときの元となるサンプルを作ってほしい。


その他、当店製品の意匠の変更(オリネームの位置 パーツの配置の変更等)もお断りしています。


❎ オーダーメイドでかばんを作ってほしい。
オーダーメイドに関して


フルオーダーメイドでの製作はしていません

完全なフルオーダーメイドの場合、材料代+かかった制作時間の分をお客様にご請求することになります。

制作工賃は、「Goziの帆布カバン教室」の記事の「デザイン(打ち合わせにかかった時間を含む)」「製図」「試作」「検証」「制作」の全行程分を1点のみの制作で頂くことになります。

当然時間が掛かりますし代金も高額になります。
たとえそれが小物であってもです。

そのことをきちんと理解して納得の上でのご注文なら、お客様自身の意見(使い勝手やデザイン)が反映されたこの世で一つのオリジナルを手にすることができることでしょう。

ただ、このことをあまり理解しないままオーダーメイドで作れますか?と聞かれる方がが多いのです。

特に初めてお見えになられたお客様ほど。
聞いてみたいだけの方がほとんどと思うのですが、安価でできるならということなのでしょう。

私が依頼する側なら、GOZI帆布の作風や技量も分からぬまま、初見で得体の知れない人に高額なオーダーメイドで作って欲しいとは思いません。

どんな分野のフルオーダー製品にしても、お客様とお店の信頼関係と相互の理解が無いとうまくはいきません。

私もこの仕事を始めた頃、強くご要望があったときには、フルオーダーで(しかも低額で)作っていたことがありましたが、試行錯誤の上、やっと完成しても取りに来られないお客様がかなりみえました。

ご注文のときには、熱く、こういうものを作って欲しいと語られるので受けてはいましたが、完成する頃にはお客様も冷めてしまうのか、完成の連絡後は音沙汰が無くなってしまいます。

今となっては当店の甘さ(お客様を信用しすぎる 手付金を入れてもらわなかった等)があったと思います。

そんなこともあり、フルオーダーでの制作は辞めました。

しかし、当店の制作スタイルを理解して頂いた上で、こういうものを作って欲しいというご依頼には、一点のみの制作だと高額になる為、大元の案(テーマ)はお客様のご要望で、デザインはGOZI帆布のデザインで、時間がかかっても待っていただけるという方に、当店の製品ラインアップとして制作(但し汎用性のあるもの)し、完成後「もし思っていたのと違うなら買っていただかなくても問題ありません。」「気に入ればお買い上げ頂きたい。」というスタイルで対応してきました。

今後も当店の考え方、デザインから製作の品質まで納得してご依頼いただければ、できるだけご希望に沿いたいと思っています。

オーダーメイドバッグが欲しいときには専門店で


革のかばん店の中には、フルオーダーメイドでの対応、制作を行っているお店があります。
当然、高額になるとは思いますが、世界に一点のみの価値はあると思います。

帆布かばんでも少ないですが、オーダーメイドに対応しているかばん店があります。

オーダーされるなら専門店で、時間がかかることと料金が高額になることを理解された上で、ご自身の満足できる一本をぜひ制作なさって下さい。

セミオーダー(イージーオーダー)(パターンオーダー)も取り扱い店で


ベースとなるカバンのカタチやパーツ、素材や色がある程度決まっていて、その中から自分の好みで制作を依頼します。
ある程度決まった中からの制作になるので、フルオーダーよりも安価に作ることができます。

GOZI帆布でも一部の製品を有料で、デザインの意匠を壊さない範囲で ご要望に対応しています。

例)持ち手を短く、長く
カバンによりますが、斜め掛けのストラップの追加  サイズの変更 など


❎ かばん(他社様の製品)が壊れたので修理をしてほしい。
修理に関して


他社様の製品は修理していません

● 修理には専用のミシン、材料が必要になります。

お客様の中には、カバンを作っているので当然修理もできるだろうと思ってる方がいらっしゃいます。


カバンの修理には専用のミシン(八方ミシン)や知識、経験が必要です。

ミシンや技術面だけではなく、修理に必要な多くの色や番数の糸、ファスナーの種類や色、金具やプラスチックパーツの材料も必要です。
革製品なら同様の革が必要な場合もあるでしょう。

このため、GOZI帆布にも修理の相談がありますが、ごくごく簡単な修理以外は、自社の製品しか行っていません。

その道のプロのようにはできないからです。

● カバンを修理するということは…
修理はとても地道で繊細な作業です。

縫い目をほどき、補修し、新たに作ったパーツを針目が合うよう一針一針丁寧に縫い合わせます。

新品を作るよりも遥かに手間がかかります。

まともに見積もれば、修理によってはカバン代より値段が高くなることもあるかも知れません。

なるべくそうはならないよう、なおかつお客様に満足していただけるように仕上げると、結局見積もりよりもはるかに多くの時間がかかってしまいます。

できるだけ丁寧に修理することは、これまで当店製品を使って頂いた感謝と、修理後も永く使って頂きたい思いがあるからです。

修理の専門店も、愛用してきたお客様の思いを大切に、これからも使い続けてほしいという気持ちで修理をされていることでしょう。


❎ 他社様の製品と同じものを作ってほしい。


他社製品のコピーに関して

割と気軽に言われる方が多いですが、たとえその商品が意匠を取っていなくてもコピーを作ることはルール違反と思っています。

「同じものが探しても無い」「廃盤になった」などの理由が多いのですが、中には遠方まで買いにいくのがめんどくさいとの理由もありました。

悪気が無いのはわかりますが、そのブランドにとっても、オリジナルデザインの製品を作っている当店に対しても失礼なことです。

かばんを作り始めたGOZI帆布のブランドが無い、まだ本業にしようとは考えていなかった頃、このかばんと同じものを作ってほしいと依頼を受けました。
駆け出しだった名もない私に、制作の依頼をして頂きとても感謝しています。
しかし、ある時「どうせ人のマネしかできないのだろう」と言われたことは忘れません。

他社の製品と同じものを作ることは、練習のためには良い経験だったと思っていますが、あくまで練習のため。

現在コピー製品を製作販売することは致しません。


❎ GOZI帆布製品を革で作ってほしい。
革で作ることに関して


● GOZI帆布のカバンを革を使って出来ないか?

カバンを作っていればどんな素材でもできると思っている方も見えますが、帆布のカバンと革のカバンには、作り方に多くの違いがあります。

基本的に生地を曲げて作る帆布製品に対して、革製品は革の厚みや作り方にもよりますが、それほど曲げるような作り方をしません。

革製品を作るために必要な革漉き機や、第一に知識技量がございません。

お断りはしているのですが、もし作るとなればフルオーダー製品と同じぐらいの時間とそれに伴う費用になることでしょう。


● 帆布でも生地の厚みによって

GOZI帆布では、
9号帆布や、11号帆布のそれぞれの生地の特徴に合わせて、最適になるようデザイン、検証をしています。

たまに違う厚みの生地でできないか?と質問がありますが、上記の理由でお断りしています。


❎ 製品を量産するときの元となるサンプル制作のご依頼。

このご依頼も、世の中にはサンプル師というサンプル作りのプロフェッショナルがいらっしゃいます。
主に革がメインで制作している方が多いと思いますが「サンプル師」で検索して、まずはお近くにある工房に問い合わせてみることが良いでしょう。


まとめ

これを見るとできないことだらけですね。

主にできない理由は、
高額な費用、膨大な時間、倫理観、製作技術、製品の品質
です。

GOZI帆布が思うユーザーに提供できる最高のパフォーマンスは、コンセプトの「アイデアをカタチに」。メインテーマの「スタンダード&エキセントリック」に則った、GOZI帆布にしかできないデザインによる製品作りです。

セミオーダーに関してはできることとできないことがございますのでご相談を。

以上、どうかご理解よろしくお願い致します。




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