針棒の上メタル交換を工業用上下送り筒型ミシンで解説します

針棒にガタがある場合、針棒、または針棒と下メタルの交換というのがミシン整備の一般的な認識のようですが、交換後もガタがある場合、上メタルの交換をします。

私Goziも、針棒と下メタルの交換後、微小なガタがあったため上メタルを交換してみることにしました。

実際、上メタルを交換してみて、下メタル同様上メタルもそれほど高価な部品では無いし、多少の手間が増えるだけなので、針棒と下メタルを交換するなら同時に上メタルも交換して(したほうが)良いんじゃないかと思いました。

まだ「針棒とメタルの点検と交換方法を厚物用上下送り筒型ミシンで解説します」をご覧になられていない方はそちらを先にご覧下さい。

以下、上メタルを交換した要領を、GOZI帆布店主のGoziがJUKIのDSU-144Nで解説いたします。

他の機種や種類(総合送り以外の下送り、上下送りの平ベッド、シリンダーベッド)でも基本的に同じなので、参考にしていただければと思います。

● 電源offを確認

● 上糸、ボビンを外します。

● 説明のパーツ名はJUKIパーツリストのカタカナ表記でしています。

2本のネジを緩めメンイタを外します。

メンイタが外れました。

針とハリボウイトカケ取り外し

ネジを外し、少し硬いですが下に引けば取れます。
硬ければマイナスドライバーを段に置き軽く叩いたら外れます。

オクリアシ、オサエアシの取り外し

カマカバー、ハリイタ、オクリのもウワメタル交換後に、針と釜の位置が適切か点検し、場合によっては調整が必要なため外しておきます。

ハリイタ、オクリが外れました。

ウワメタルのキャップを外します

ハリボウダキのネジを緩め

ハリボウを上から抜きます

ウワメタルの出を目視で確認
(シタメタルはメタル下端をハリボウ位置の調整に使うため厳密に測って合わせますが、ウワメタルはそれほどシビアに見なくてもよいです。)

抜けて落てくるメタルの下に、クッション材になるものを入れます。

打ち棒はシタメタルで使ったものですが、ウワメタルの上側は経が11.5mmあり、シタメタルの11mmより大きく上端内径も8mm(ウワメタル下端から6.8mmはシタメタルと同じ7.2mmの内径)でシタメタルより大きいため厳密にはそれに合わせて打ち棒を準備したほうが良いのですが、とりあえずシタメタル用で打ってみました。

amazon 真鍮 快削真鍮丸棒外径11mm

シタメタル用に作った打ち棒

打ち棒の経がメタルの経より気持ち小さいですが

打ってみます。

ウワメタルが抜けました。

新品のウワメタル

横の穴位置(穴は大小あり小が手前)をあわせ

打ち棒をセットして

写真では手を添えていないですが、しっかり打ち棒を抑えながら打ち込んでいきます。

予定の位置まで打ち込みました。

新品のハリボウを抜いた逆の手順でウワメタルからハリボウダキを通してシタメタルへ

ハリボウダキのネジはハリボウの最下点をメタル下端で合わせ締めます。

後に釜と針の調整をします。

ハリボウの4本の線の内、下2本がDP×17用
下から2番目の線が最下点位置

新品のメタルでもガタの点検をします。
前回のハリボウとシタメタル、今回のウワメタルの交換でDSU-144Nの針棒ガタは無くなりました。

針と釜の調整方法はブログ記事「本縫ミシン 針と釜の関係 調整方法を解説します」を参照お願いします。


戻り、続きの「11. 釜と釜周辺取り付け」から参考にして下さい。



私の20年超使ってきたDSU-144Nは針棒のガタは針棒と下メタル、今回の上メタル交換で解消しました。

外した針棒、下メタル、上メタル

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