流行を追わなくて良いの?
流行は自然発生的なものと、業界が仕掛けたものがあり、カバンの流行はカタチ、色、素材、その組み合わせのものがあります。
ある特定のブランドが流行ることもありますね。
バッグを作るときの方向性の一つとして「私の作るバッグは流行に乗らなくても大丈夫?」と思うことでしょう。
その思いの中身は、
流行に乗らず、バッグが売れないと不安。
売るためには、とりあえず流行を追った方が手取り早いのでは?
そもそも、人が求めるものを提供するのが商売では?
流行を追わずに個性を生かしたオリジナルの製品は売れるの?
にGoziが答えます。
流行を追うということは・・・
流行後の陳腐化が怖い。
一番美味しいのは流行を仕掛ける最先端にいる人たち。
流行(トレンド)はその人たちの利益の為にあるものという認識です。
次に流行を敏感に感じ、取り入れているユーザー。
業界は、そんなユーザーに新しいトレンドを提供しないとすぐに飽きられ、活性化しません。
その他の人々は、後追いで乗っかりますが、乗り損なったり乗り遅れたりします。
乗ったと思った時にはすでに終わっている可能性もあります。
怖いのはこの流行後の陳腐化。
「まだそれ使っているんだー」と。
計らずとも乗ってしまうことがある。
数年前、今年のトレンドはバイカラーというものがありました。
GOZI帆布の製品は2色使いの製品が多く、この記事を見たときの思いは「流行に乗れるぞーヤッター」じゃなくて「やめてー」です。
大きな流行なら後の陳腐化が怖い。
幸いなんとも無かった(と思っている)ですが。
流行を追えば一時は売れるかもしれません。
でも、
…結果 Goziが思う損なこと5つ。
・自分の本当に作りたいものではない。
・売るためには常に流行を追わなければならない。
・永く使って貰えない。
・競合ばかり。
・流行が去れば売れ残りは不良在庫になる。
・自分の本当に作りたいものではない。
第一はコレです。
もし、独自のデザインで売れるかどうか分からない不安から、意に沿わない作品を作るなら、楽しいはずの製品作りがストレスになります。
私Goziは、自分のアイデアやデザインで製品を作りたいので、流行っているから、売れるからと言って同じようなデザインでの製品作りをすれば、かなりのストレスになります。
・売るためには常に流行を追わなければならない。
誰かが作り出した流行は一時的なものです。
新しい流行りが起これば、これまでのものは廃れ陳腐化します。
考え方を変えれば、流行を追っている限りある程度は売れるでしょう。
しかし、常にこのループにハマっていなければなりません。
顧客もあなたの作品ではなく、流行を取り入れたい、そのときの気持ちを満たすものです。
・永く使って貰えない。
当然、新しい流行りが起これば、流行遅れになるので永くは使って貰えません。
流行りが廃ればダサいと言われます。
見方を変えれば、新たなトレンドで新たな製品を売るチャンスと捉えることもできますが、前回買ってくれた人が自分のブランドのファンになってくれるかは微妙なところ。
・強豪ばかり。
流行を追えば必ず多くの強豪がひしめいています。
ネット検索しても有名メーカーのものが上位に来るでしょう。
同じようなデザインならブランド力が無ければ何を売りにする?となると自ずと価格になります。
・流行が去れば売れ残りは不良在庫になる。
数年前にアパレルの有名ブランドが、在庫を大量に廃棄することが話題になりました。
ブランドの製品は、流行りのモノでなくても売れなければ廃棄が検討されます。
価値が下がり、保管するだけでも費用がかかる流行遅れは確実に廃棄されます。
規模は違うけど、個人も不良在庫を抱える問題は同じです。
結果、流行を追うのではなく、オリジナルデザインの作品でファンを増やすことが最良です。
同じテーマで作っても、作る人が10人いれば10通りの個性のある製品が出来るはずです。
この自分らしさのあるオリジナルのデザインの製品は、すぐには人々には浸透しないものの、確実にファンを増やすための最強のアイテムです。
使う人を思い、渾身を込めて作った製品は、必ず「コレがイイ」という人が現れます。
そして、その人の定番として永く使って頂けます。
「直ぐに買い替えてくれないと売り上げが上がらない」と思うでしょうが、新規の顧客がリピーターになり、何年も経って「痛んで来たから」と再度同じ製品を購入して頂けます。
また、気に入って頂けると、購入を考えたときには必ず候補に入れて頂けます。
地道にそんなファンを増やしていくことが最良です。
でも、流行(トレンド)も取り入れたい。
その場合は、独自のアイデアを盛り込んだ、流行そのものより、そのトレンドのコンセプトを取り入れた「ちょっと外したもの」を作ることをお勧めします。
流行が去っても関係ありませんものね。
GOZI帆布の場合
例えば2018年頃から流行りだしたサコッシュ。
元々自転車競技で補給食を入れるために使われているシンプルな斜め掛けの道具としてのショルダーバッグです。
一般に使うファッションとしてのサコッシュも、ファスナーかホック付きのマチの無い小さなバッグが一般的です。
GOZI帆布では、これをA4のサイズがギリギリでも入ったら便利だと考え、大きめで、その分なるべく軽くするために11号帆布で制作しました。
zi-sacoche
ポケットが無い zi-sacoche をベースに、これに内外にポケットを付けた発展形の
zi-luchs
もう一つはパラフィン防水加工の9号帆布で作製した 、スマートフォンと財布+αが入るくらいの大きさで、ペットボトルや水筒も入れることができたら便利、ということでマチを付けた
zi-sacoche RS
どれも左右非対称、表裏対象のデザインです。
一般的なサコッシュとはイメージが違うので、流行り廃りを気にすること無く使っていただけます。
まとめ
流行は新しいものを生み出し業界を活性化するためにも必要です。
世の中、何が流行っているのか知っておくことも大切で、当然ビビッとこれば購入も。
新しいもの、新しいトレンド(の情報も)を取り入れることはワクワクしますし、自身のモノに対する見方や見識も広げられます。
流行に乗ってうまくハマれば売れるでしょう。
ただ製品として製作するならば、流行りのモノそのものより、コンセプトは頂いて、自分らしいアイデアとデザインを織り込んだ「ちょっと外した製品」を作る方が陳腐化しなくて良いです。
しかし、気をつけなくてはいけないのは、ここで言う「ちょっと外した製品」は、人を思い、使う人に寄り添った製品作りです。
そして結論は、
ユーザーにとってのスタンダードになれる製品作りを。
その次もその次も、真っ先に選ばれるブランドになれるように。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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