帆布生地の選び方と購入方法

「帆布でバッグや小物を作りたい」と思ったときにどんな生地を選んだら良いのだろう?
どこで購入したら良いのだろう?
にGoziがお答えいたします。

この記事は綿帆布生地を念頭に書いています。
(帆布と言えば一般的には天然の綿帆布生地をイメージしますが、同じく天然素材の麻やリネンの他、化学繊維のポリエステルやアクリル、ナイロンなどのものもあります。)

帆布生地の選び方

自分はどんなバッグを作りたいか?の問いに対して明確であればあるほど必要な生地は見つけやすくなります。
例えば、「雨に強いA4ファイルが入る通勤に使えるショルダーバッグ」とかだと「パラフィン防水樹脂加工や撥水加工がされた6〜9号のちょっと厚手の生地が必要」となります。

「シンプルで頑丈な工具入れを作りたい」となると4号か6号の無加工の生成りが良いねとか、

「とにかく軽くて何にでも使える汎用性のあるトートバッグが作りたい」や「厚物が縫えるミシンを持っていない」なら薄手の生地が候補になることでしょう。

帆布生地選び 特に重要な2つのポイント

  1. 帆布の厚さ
  2. 加工による機能や風合い(無加工含む)

1. 帆布の厚さ

帆布の厚みは号数で表されています。
数が小さいほど厚く、大きいほど薄いです。

帆布製品で使われることの多い号数で

4号(厚い)⇔ 11号 79A(薄い)

となります。

厚い帆布

メリット

  • 目が粗いので帆布の素材感がある
  • 丈夫


デメリット

  • 重い
  • 縫製がしにくい(生地を重ねるときには厚みが出ないように工夫が必要)
  • 職業用や工業用の厚物ミシンが必要

薄い帆布

メリット

  • 軽い
  • 柔らか
  • 比較的縫製がしやすい
  • 家庭用ミシンでもなんとか縫製が可能

デメリット

  • 帆布の素材感が少ない
  • 耐久性が厚物より低い


2. 加工(無加工含む)による機能や風合い

機能で選ぶ

防水:パラフィン加工などの主に撥水、防水などの雨などの水濡れに対する機能がある帆布。

風合いで選ぶ

● 無加工 生成り
帆布独自の自然な色と風合い

● 糊付け
生地がパリッとします。

● シルケット加工
シルク(絹)のような光沢のある風合い。

● パラフィン加工
防水機能があり、生地が固くパリッとします。
バッグが自立します。

● 特殊ワッシャー
洗いっぱなしのようなシワ加工、ヴィンテージの風合い。


主に上記の加工製品の他(プラスして)樹脂、防縮、帯電防止、撥水などの加工があります。


作りたいバッグのイメージで選ぶ


どんなバッグを作りたいのか?


角のあるバッグが作りたい

四角い、角がしっかり有るデザインのバッグは、厚めで硬い生地が良いです。


丸みのあるのバッグが作りたい

どちらかといえば薄めで柔らかな生地が良いです。

入れるものとの相性で選ぶ

例: A4ファイル ノート 本 パソコン 工具 など
しっかりした生地

例: 着替えなどの衣料品を入れるバッグ エコバッグなどの買い物用バッグ
柔らかな生地

その他

展開している生地の色で選ぶ

  • 色が豊富
  • 好きな色がある
  • 使いたい色がある


使いたい生地がある

具体的に「この生地が使いたい」と明確にあれば帆布生地の販売会社から仕入れます。


帆布生地の買い方

帆布生地を購入するには


購入ははカット生地か一反か?

帆布生地を使ってこれから制作をしてみたいと思っている人。
帆布生地を使ったことのある人でも、使ったことのない生地を画像やスペックで風合いを判断できる人はいないと思います。

趣味で作ってみたい人はインターネット通販や、街の手芸店などに帆布が置いてあれば、まずあるものを買って作品を作ってみます。
そうするとなんとなくもっと硬い生地が良いとか、薄い生地が良いとか分かってくると思います。
いろいろな生地を試してみるのも良いですね。

本格的に制作したい人も最初は帆布生地を手に入れて作って見ます。
作りたい方向が決まったら、帆布生地の販売会社からサンプル帳を送ってもらいます。

サンプル帳で「この生地で作りたい」と明確に思えれば一反で購入してみては。

もし、サンプル生地で製品を作った感じがイメージできない場合、一反を買うにはリスクがあるので、割高にはなりますがカット生地を購入して実際に作ってみます。(カット売りをしている場合)

使ってみて良ければ一反で買います。
一反で買うには出費はかさみますが、制作販売で数を作るのならそのほうが断然お得です。

どこで買うのか?

  • インターネット通販 
  • 街の小売店
  • 生地販売会社

になります。

インターネット通販

「帆布生地 販売」などのキーワードで検索
画像で風合いが分からない場合、サンプルを購入するか、試しに少量だけ買ってみると良いと思います。

街の小売店

手芸店など。
置いてある帆布の種類は少ないが、実際見て確かめて購入できるのが良いです。

生地販売会社

GOZI帆布がお付き合いしている2社を紹介します。
どちらの企業も産業資材など幅広く取り扱っています。

大一帆布

DH 9000(パラフィン防水樹脂加工 9号帆布)

DH 2000(シルケット加工 11号帆布)
など

製品情報(バッグ用生地)

https://www.dihp.co.jp/products/bag


川島商事株式会社

日本製帆布ブランド「富士金梅」で有名です。

各企業のホームページに製品情報、生地の説明がありますが、やはり実際の生地が無いとイメージが湧きません。
お問い合わせフォームや、営業所の電話番号が掲載されていますので気になる生地がありましたら問い合わせをしてサンプルを送ってもらいましょう。



Goziの場合

中古で職業用のミシン(厚物用ではない)を手に入れて「帆布でかばんを作ろう」と思ったとき、使いたい生地のイメージは、自重で形が崩れない硬い生地でした。

帆布に対してなんの知識も無かったから、とりあえず何かを作って見ようと名古屋の大塚屋さんに行き、11号と8号があったので厚手の8号帆布(糊付け)を買い、トートバッグを作ってみました。
しかし形が保持できません。

他の生地店にも見に行ったりしていましたが、なかなか思ったような生地がありません。

ある時、テント、シート店の看板が目に留まり「テントやシートに使う生地なら防水で硬い生地があるんじゃないか」と思い訪ねて見ました。

年配の店主に話を聞き、ふと見ると求めていたOD色の生地の切れ端が積まれているじゃないですか。
それを分けてもらい、トートバッグを作ってみるとしっかりしている。自重で潰れない。

これだ!と思い、当時使い始めたパソコンで検索して同様の生地のサンプルを取り寄せ、確信を持った上で注文し、今もそのパラフィン防水加工の9号帆布生地(大一帆布 DH 9000)を使い続けています。

その後、柔らかい表現もしたいと思い、シルケット加工の11号帆布(DH 2000)も平行して使っています。


最後に

これから帆布製品を作られる方へ

作ってみる
先にも書きましたが「これから作品を作ってみたいけど帆布生地を扱うのが全くの未経験」という方は、手芸屋さんでもインターネット通販でも、生地の厚さは関係なく「良さげ」と思った帆布生地を購入して、折ったり縫ったりしてみて下さい。

それが一つの指標となり「厚すぎて家庭用のミシンでは無理」だとか「薄くてイメージに合わない」とか「感じ」が分かってくるので、とにかく買ってみて手を動かして作ってみるのをオススメします。


ミシンか生地か
例えば今使っているミシンが家庭用の場合、そのミシンで縫える範囲の厚さの生地を選ぶか、使いたい生地が厚手の場合、今後その生地が縫える厚物用ミシンを導入するのかも生地選びに関わってきます。

今は工業用でなくても職業用の厚物ミシンがありますので、厚物が縫えれば生地選びに余裕ができ、それに伴い創作の幅も広がります。

しかし、家庭用ミシンを使っていくのでしたら、薄手の生地を使い、同じデザインでも多彩な色使いや、違う風合いの生地での作品作りを楽しむのも良いですね。

私Goziは、使いたい生地(カッチリした生地でバッグが作りたい)があり、それに合わせてミシンを選び、糸を選び、付属するパーツを選びデザインを考え、結果仕事として現在に至ります。

呼び名は帆布だけども多様な素材
一言に帆布と言っても厚みや加工で風合いは多様になります。
それぞれの帆布の特性により様々な用途やデザインの可能性を感じます。

私Goziはサンプル帳を見て「この生地が使ってみたい」とか「こっちの生地も良さそう」ととてもワクワクします。

この記事を読んで頂いた方も「これを使いたい」とワクワクできる生地と出会えるといいですね。

関連記事

最後まで読んで頂きありがとうございます。

◉ このブログ「Goziのミシン」の記事を読んで良かったと思って頂けたら、Twitterなどでシェアしてもらえると嬉しいです

◉ 記事が「役にたった」「為になった」と思っていただけたなら、下の画像をタップしてPayPalの決済にてご支援を頂けるとありがたいです。
金額は、読者が記事への報酬を自由に決められる PWYW(Pay what you want)方式です。

最新情報をチェックしよう!