帆布カバンの作り方 GOZI帆布の製品制作 Goziの帆布カバン教室

Goziの帆布カバン教室で帆布製品作りを解説しましたが実際に

innocence A4  色:OD
innocence B5  色:OD

を作ってみます。

GOZI帆布のカバン制作工程を紹介します。

工程1
何をいくつ作る? 色は? 

まず最初に何をいくつ作るか決めます。

今回は「innocence A4」と「innocence B5」を色ODでそれぞれ4つ作ることにします。

製品によっては2色のものもあり、配色により、例えば赤×茶4、赤×黒2、カーキ×OD6、ベージュ×茶4、黒4、茶2など、なにをいくつ作るか決めます。


工程2
切り出し方を考える

無駄が出ないように切り出し方を考えます。

切り出し方は、いつも決まった切り出し方があり、予め清書してあればそれを使います。

今回は設計図を元に、A4のコピー用紙などにフリーハンドでざっと大きくブロックごと切り出す「荒取り」の切り取り方を書き出します。

色々な配色で作るときには切り出す都合(効率)により、作る数や切り出し方を変えることもよくあります。

設計図
切り出し方


工程3
生地の切り出し

切り出し方が決まれば、それを元に生地を切り出します。


荒取り(ブロックごと大きめに切り出す)

なぜ荒取りをするのか?

答えは荒取りをしたブロックごと生地を縮ませるためです。

生地は芯に巻いたロール状になっています。(一部畳状もあり)
生地をこのロールから外すと縮みます。(これは生地を引っ張りながら芯に巻きつけているためだと思います。)

◉ Goziが帆布製品をつくり始めた当初、巻から外してすぐにパーツを切り出していました。
当然、時間が経つにつれ縮むので寸法が合いません。

今では解るのですが、当時、正確にカットしているはずなのに、切ってしばらくすると寸法が合わなくなるのが不思議でした。

巻から外したら縮むということに気が付いてからは、取り敢えず「荒取り」して切り出し、1日以上放置するというやり方です。

生地が縮むのと、横糸の畝のラインに並行にカットすることを考えて、荒取りは指定寸法より大きめに切り出します。

⚫もし縮んで寸法が出なくなると再度切り出さなくてはなりません。
少々無駄になっても大きめに切り出します。1mで1cm以上。
切り直すよりはマシです。

⚫9号と11号の生地の違いや、過去とその時に仕入れた生地。使い始めと芯の近くでは縮み方が違います。
巻きが大きい使い始めほど、大きく縮む傾向にあるようです。
最初の使い出しの頃は、どのぐらい縮むのか見当がつかないため、より大きめにカットして様子を見ます。


ネップの処理


上記の「生地は巻から外すと縮む」を念頭に「荒取り」をしていくのですが
ここで注意!

天然素材である帆布には必ず糸が丸まったネップと呼ばれる塊があります。

ネップ



このネップは生地の強度的には全く問題無いのですが、見た目では気になる部分です。

ネップを避けるため、取り除いて製品を作ることは不可能ではありませんが、多くの無駄を出すことは現実的ではありません。

そこで、このネップを製品の見えないところに隠す切り取り方が腕の見せどころになります。
(シンプルな製品のpb-toteでは、敢えて天然素材の特徴でもあるネップが付いたまま製品にしています。)

ネップにプロットする(まず荒取りする前にネップの確認をします)

ネップの位置を分かりやすくするため、生地を巻きから外したら紙テープ(12mmのマスキングテープを使っています)をちぎりながらネップ上にプロットしていきます。



ネップにプロット
ネップにプロット
生地の織りムラにも

予め、おおよその使う分の生地を伸ばし、ネップの見落としがないようにプロットしていきます。

プロットができれば、ネップの部分をどこのブロックにするか考え、切り出します。

もう一つ切り出すコツは、なるべく大きいパーツから優先して切り出します。

タグ
生地を切り出したら、マスキングテープに寸法や名前を書き込み貼り付けます。
(荒取りのブロックが複数あると、どこのパーツに使うかその都度確認が必要になるため、その手間を省くため)

荒取りした生地にタグを付ける


工程4
1日置いて縮ませる

荒取りが終われば、生地を縮ませるためそのままの状態で1日置きます。


工程5
パーツの切り出し

生地が充分縮んだらパーツを切り出します。

パーツの切り出しは主に

A1サイズのカッターマット

ロータリーカッター

カッターナイフ

各種サイズの定規や曲尺

曲尺を横糸の畝に合わせ微調整



自作の型で切り出します。

型に合わせてカット
白い線は鉄筆の跡


工程6
パーツの曲げとマーキング

切り出したパーツを曲げ位置決めのマーキングをします。

パーツごと、曲げる前にマーキングしたり、曲げた後にマーキングします。
又、縫った後にマーキングすることもあります。

曲げは、基本鉄筆で線を引きチョークマークを付け、その線を内側に織り込む形で曲げます。

鉄筆でチョークマークを付けます
生地の曲げ 鉄筆で付けた跡で曲がります

ローラーを使いキリッとした折り跡を付けます。



マーキングは
色の濃い生地には、

アイロンチャコペン(白)


色の薄い生地には、

フリクションボールを使っています。

どちらもアイロンの熱で消えますが、多少は白く残りますので見えるところは必要以上に線を引かない。

又、チャコペンの代わりに、鉄筆で引いたチョークマークを利用することもあります。

パーツの切り出し 曲げ


工程7
パーツの縫い

曲げた生地を縫います。


まずはパーツ単体の縫い。

ミシンはパーツの縫いやすさに応じて平と筒を使い分けます。

ストラップも帆布で作ります。

かぶせ(フタ)の縁も、帆布で作ったバイアステープを付けます。

◉ カバンを作り始めた頃の知識の無いGoziは、帆布の自作テープで、カーブをきれいに曲げて縫うにはどうすれば良いのか悩み、その時に市販の服飾用の縁用テープに並行、バイアス、セミバイアスがあり、違いは何なんだろうとの頭の片隅にありました。
ある時「ああ、そういうことか!」と閃き、実際バイアステープを作り縫って見たら思いのほかよく曲がり、キレイに仕上がることを「発見」しました。

業界では常識なことでも、自分で気がついた事実は喜びになりますね。

45°バイアステープ



織りネームを縫い付けます。

本縫いの縫い終わりの糸の始末は半田ゴテで溶かし切り、玉を作り抜け止めにします。


半田ゴテはミシンのすぐに手にできるところに置き、スイッチを付けて使用しています。

現在使っているものは生産終了品のため、次は
白光 984-01
が良いと思っています。



ホックなど金具の取り付けをします。


工程8
パネルの作成

ショルダーバッグ「innocence」は


後ろ
両サイドと底

3つのパネルで構成されています。

各パネルにパーツを縫い付けていきます。



仮縫い
ポケットなど、本体のサイズで組み上げたときに見えなくなる、強度に関係無いパーツは仮縫い用30番のスパン糸で縫います。

#30スパン糸で仮縫い
見えなくても強度の必要な部分はビニモの#20又は#8で縫います
パネル後ろとかぶせフタ
innocence B5 パネル3点



innocence A4 パネル3点



工程9
パネル同士の縫い付け

中心点や合わすべき要点を位置決めの仮縫い、及び本縫いをします。


縫い代は7mm。

針落ちから吊り定規まで7mmを正確に合わせる



ミシンはJUKIの厚物工業用シリンダーベッドミシンDSU-144N。

特に硬い生地の縫い合わせには下記写真のように、製品を下に逃して使えるシリンダーベッドミシンがとても有効です。

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仮縫いで位置が決まれば本縫いします。

パネルの縫い合わせ



底のカドの縫い合わせのコーナー部分は、必要に応じてノーズプライヤーを使って合わせていきます。

これは、指で掴んで引っ張るより、より強い力かつピンポイントで引っ張れるため。

底のカドの縫い合わせ

Goziはなるべく生地をキズつけたくないと思い、掴むためのギザギザの細かいクニペックス製の25 05 160 というノーズプライヤー(ラジオペンチ)を使っています。


テープの縫い付け

YKK TG 03 20mm テープ
パネルを縫い合わせた状態


工程10
ひっくり返す

硬い生地なのでひっくり返すにはかなり力が要ります。


ひっくり返すと必ずシワになりますが、なるべく軽減できるように気にしながら作業します。

表にしたら、構造の強度とスタイリングのため、本体の口元四隅を縫います。


工程11
アイロンでスチームをかけてシワを伸ばす

工程10でできたシワをアイロンのスチームを当てて伸ばします。


アイロンは、アイロンチャコペンの線を消す目的以外では押し当てません。


工程12
ストラップを取り付ける

最後にストラップを取り付けて完成です。

カシメを取り付けます



完成

innocence B5  innocence A4



※ 「荒取り」「パネル」など文中の用語はGoziが作業を説明する利便性のため、独自に使っているものです。

※ 文中の紹介工具はAmazonにリンクしています。


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