Goziの帆布製品制作方法 試作
■ 試作を作る
デザインを元に展開図を描きます。
その展開図を元に試作を作り、変更点の有無を検証します。
● デザインをカタチに
デザインが決まれば、今度は決めたデザインを元にフリーハンドで構わないので展開図を描き寸法を入れます。
ここでも大きな紙を使います。
デザインが良いなと思っても、実際には現実不可能なこともあります。
組み立てを想像しながら展開図を描きましょう。
製品によっては色々な作り方ができます。
出来上がりの状態やパーツを切り出す効率。作りやすさや機能を考えた上で決定します。
● デザインを元に展開図を描きます。
⦿ 寸法を書き込むポイント
切り出しの外寸法は、パーツごとに書き込む位置がバラバラだと、勘違いして間違ったサイズで切り出してしまいます。
製図の経験が無くても、自分で分かるルールを決めて統一すると良いでしょう。
Goziの場合、描いたパーツの左側と下側が切り出すときの一番大きいサイズで統一しています。
⦿ 縫い代は
帆布製品を作るメーカーによって考え方は違うと思いますが、GOZI帆布では縁を留めるテープ使用の場合 7mm~7.5mm、 縁を折り込む場合は20mmで制作しています。
⦿ 生地を切り出すポイント
生地は縦目と横目があり、どちらを優先に切り縫うかで、硬さ、曲げ、縮み、縫い目の並びが違います。
試しに、実際縦と横に長く切った2種類の生地を四つ折りにし幅1cm〜2cmの紐を作りそれぞれの縁を縫って違いを確かめてみましょう。
GOZI帆布では何を優先させるかで、生地の布目の方向を決めています。
⦿ 型は?
GOZI帆布では型を使わず、カッターマットの目盛と定規で切り出しています。
一部、アールのあるものや普段良く使う寸法のものは、パーツで必要な部分を厚手のボール紙や、底板に使う発泡ポリエチレンの板で制作し、カットや線を引くのに使います。
人は必ずミスをします。特に寸法の切り間違いは起こりやすいミスの一つです。この切り間違いの問題は、型を作り工夫して使うことでかなり軽減できます。
● 部分パーツでの検証
頭で考えても曖昧で分からない部分「本当に図面通りにできるのか?」「寸法は合うのか?」「計算通りか?」「イメージ通りか?」は、実際にその部分のみの試作を作って検証します。
例えば、持ち手の幅や長さ、バッグへの取り付け方、取り付けの幅、カバンの底の部分などなど。
パーツ部品同士を縫い合わせて検証することもあります。
Goziは、斜めがけのストラップを、細かい部分含めて納得行くまで10パターン近く作ったこともあります。
考えた通りか?違えば作り直します。少々の変更は糸を切って縫い直します。
変更があれば展開図も書き換えます。
いきなり試作や製品を作ってしまうと、「思っていたのとは違う」や、「寸法が合わない」と最悪新たに作り直すことになるので、部分パーツでの検証は積極的にしたほうが確実です。
● 試作を作る
実際の製品の試作を作り検証します。
部分パーツの検証が終わり展開図が描けたら、それを元に実際に製品を作ることを想定して、自分で決めた正しい向きで生地を切り出し、試作を作ります。
どのぐらいの時間がかかるのかも見ながら作業します。
試作が完成したら配色、バランス、修正点は無いか?を検証するため実際に使って見ます。
使用するとデザイン時に見えなかった部分が見えてきます。
◉ 修正
縫いを解いて修正できるもの、追加できるものは直します。
修正できない場合は新たな図面で作り直します。
Goziはこの試作の段階で納得できるまで何度でも糸を切り、縫い直して検証します。
必要であれば、新たに作り直します。
◉ 自分用なら 自分用に
販売目的なら試作を作っての検証は必要と考えますが、自分用、家族用なら最初から製品制作でも良いと思います。
GOZI帆布でも、試作品は制作後の製品状態の経過を見るために使うようにしています。
● デザイン画、設計図の清書をします
GOZI帆布ではB5 のノートに清書をしています。
ノートの左側上に日付、製品の名前。
下にデザイン画と外観の寸法を。
右側以降に展開図を書いていきます。
最初の頃は展開図のパーツの向きをあまり気にせず書いていましたが、最近は切り出す目の向きを揃えて書いています。
わかりやすくパーツに横目の線を書き入れています。
製品制作は、先に描いた大きな紙の展開図を元に作るので有れば清書は制作後でも構いませんが、必ず定規を使い、正しい寸法で記入し残しましょう。
以後、製品制作はこの清書を元に行います。
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